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Posted on November 01,2018

「原安三郎コレクション 小原古邨展 ―花と鳥のエデン―」

会期終了が迫っているので、慌てて茅ヶ崎まで見に行きました。

http://www.chigasaki-museum.jp

Cihigasaki_Museum
なんと同じような方が多いようで、入場制限がされるほどの盛況。入場まで30分待ちました。
Cihigasaki_Museum_01
今回は、場内撮影OK(フラッシュ不可)という、ありがたい環境。展示室はこんな感じです。
小原古邨 雪の柳に烏
↑小原古邨「雪の柳に烏」
小原古邨(1877~1945)は、花鳥画を得意とした日本画家・鈴木華邨に師事し、明治末期には版元・大黒屋から花鳥画の版画を刊行、この頃の欧米のジャポニズムの流行を踏まえ、輸出を念頭に置いた版下絵の制作で高い人気を獲得しました。
彼の下絵もすごいのですが、墨の線やぼかしなども再現しようとした「彫り師」と「刷り師」の情熱にも脱帽。
これはクリアファイルにもなっていた烏ですが、拡大しても繊細な日本画の再現の高さがうかがえます。
小原古_蓮に雀-菜の花に揚羽蝶
メインビジュアルにも使われた「蓮に雀」と「菜の花に揚羽蝶」やはり精緻な描写が圧巻。
これらはいずれも大短冊というサイズで刷られています。
有明月に木菟(みみずく)
NHK・日曜美術館で現代の刷り師で再現実験がされていた「有明月に木菟(みみずく)」
番組では墨ぼかしに抜かれた三日月は湖面に映っているいるのでは?という可能性が定義されていました。実物を見ると納得です。闇に溶け込む枝の水墨画表現。それを版画で再現している画工たちの腕。いずれも素晴らしい。

祥邨_豊邨
昭和期に入って、渡邊版画店から「祥邨」の名で、また酒井 好古堂と川口商会の合版で「豊邨」の名前で発表された作品。渡邊版画店は川瀬巴水などを擁して新版画をおこして、海外で好評を博していましたから、やはり海外でも評価が高かった小原に着目したのも当然でしょう。専属制があったせいで、別名で発表したわけですが、大黒屋の作品とは異なったテーマに挑んでいるのが見て取れるのが興味深い。
左上の蛙は河鍋暁斎の影響が伺えますね。
左下の「猫と金魚鉢」は1877年の小林清親の超絶技法木版で有名な《猫と提灯》を意識したのでしょうか?

今回の展示は実業家・原安三郎の旧蔵によるもの。摺および保存状態がきわめていい原コレクションの古邨作品約260点のなかから、230点もの作品が初公開で,堪能してまいりました。
ちなみに、茅ケ崎美術館は、その原安三郎さんの家が建っていた場所に作られており、今回はその展示も行われていました。
庭園などは往時のまま残っています。
原保三郎邸
模型で見る原さんの邸宅はスペイン瓦の白い建物。この塀や噴水は、当時のエントランスのものですね。
※美術館の説明ではアール・デコと記述されていますが、スペイン様式です。
SouthernBeach
おまけは、サザン・ビーチから望む江の島と名物烏帽子岩。
茅ヶ崎は、ちょっと遠いけれど、行ってよかった。

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