Benny'sDialy
イラスト

Posted on November 11,2018

「マルセル・デュシャンと日本美術」展

東京国立博物館で開催されている、表題の展覧会に行ってきました。

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1915

GATE
今回は平成館の展示場を2つに分け、隣では「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展。
両方見てきましたが、今日のBLOGではデュシャン展を。。

20世紀の美術にもっとも影響を与えた芸術家マルセル・デュシャンと日本美術を比較する展覧会。
フィラデルフィア美術館が収蔵するデュシャンの代表作が大量にやってきております。
ちなみに、フィラデルフィア美術館は、映画「ロッキー」の階段でも有名ですね。
PMA20-20Philadelphia20Museum20of20Art203
今回は、デュシャンの油彩画、レディメイド、映像や写真、関連文献資料など約150点が展示されていて、彼の足跡が辿れるようになっています。

Wheel
まず、最初に迎えてくれるのが、有名な自転車の車輪。椅子と車輪という既製品=レディメイドの組み合わせで、問いかけて来る。という後のPOPカルチャーに続くエポック・メイキングな作品。オリジナルが紛失していて、これもレプリカ、というあたりもPOPカルチャーにおける複製美術の概念・・・なんでしょうか?

Duchamp_PIX01
彼が、現代美術にたどり着く前の様々な手法の油彩も大量に展示されています。セザンヌなどの印象派に接近していたころの作品。

Duchamp_PIX02
Duchamp_PIX03
Duchamp_PIX04
ブラックやピカソのキュビスムの影響が顕著。イタリア未来派の影響も伺えますね。
上段の「階段を降りる裸体 No. 2」は異時同図法ともとれますが、連続する分解写真を一枚に表現したという点では、エドワード・マイブリッジの一連の連続写真の影響ではなかろうか?(ならば、対応する日本美術は「信貴山縁起絵巻」の動く表現かも知れません。)

FountainJPN02
出ました。レディメイドの代表作「泉」1917年のNY独立芸術家協会の展覧会に出品され論争を巻き起こしたとされる作品。もちろん、レディメイドの陶器製男性用小便器です。
ただし、これもオリジナルは紛失。1960年代にデュシャンの委託によって17点のレプリカが作られ現存している・・・そうなんですが、形があまりにも違っていないですか?(偽名のサインも筆跡が細すぎるような)

ちなみに、こちらがオリジナル↓
Fountain 1917, replica 1964 by Marcel Duchamp 1887-1968
ご覧の通り、こちらはアサガオの縁取りの2本溝が特徴ですし、上部に伸びるカーブが反りを持っていて優雅。さらに、三角形に配置されたメインと上部の4つの排水孔がポイントとして機能しています。

下は以前にも拙BLOGで紹介した「板橋区立美術館」の男子トイレに設置されている、使ってもいい「泉」。
設置場所の上に鏡を斜めに配置して、デュシャンと同じ構図で見られるような工夫がされてますが、こちらの方が小便器の形はオリジナルに近いのでは?
Fountain_板橋美術館
拙は、現代美術のレディメイドの中においても、感性を刺激するライン(描線も)にはこだわりがあるのですが、デュシャンに言わせれば、そんなの関係ないんだよ。となるんでしょう。
ただ、板橋美術館の方は、一度定義されたものを、使用できる形にしてしまう事で、新しい「現代美術」になっているかも知れません。(深読みしすぎ・・・・?そうだよなぁ・・・)

Bottle
こちらも有名な「瓶乾燥器」製品がそのままでサインされているだけですが、これなんかを見ると、やはり「形状」も大事だと思うんですけどねぇ。。

もう一つのレディメイドの代表作=彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(大ガラス)
The Bride Stripped Bare by her Bachelors, EvenJPN
フィラデルフィアの本物は運べないということで東大駒場が所蔵するレプリカがこれ。
拙としては、かなり期待していたのですが・・・なんかこれも印象がかなりちがう。というわけで見比べてみると↓
The Bride Stripped Bare by her Bachelors, Even
解りました。オリジナルにあった「ガラスのひび割れ」がないんですね。拙的には、蜘蛛の巣のように伸びたこのラインが意味を持っていると思っており、だからガラスなんだろうな?と思っていたので、これが再現されてないレプリカに違和感を覚えたのでした。(んま、これもデュシャンにいわせれば、関係ないよ!と言われてしまうものかも・・・)

APOLINERE
家庭塗料サポリン・エナメルの箱の文字をAPOLINERE ENAMELEDに書き変えた作品。のちのローズ・セラビもそうですが、こういう言葉遊びに似たコンセプトも多いんですね。これに対比させるのは落語の地口落ちや洒落遊びがよかったかも知れません。

EAU&GUZ
ガス水道局のロゴを拝借した豪華BOX

Resone
自ら『限定版・作品集』を出版。かなりお高かったようです。ん~む、この辺はかなり現代に通じていますね。

DISC
DISCS
偏心した同心円の回転で錯視を生じる円盤。元々19世紀の半ばには錯視や残像の原理が研究されていたから、このアイデア自体は新しくなかったと思いますが、高名な美術家が敢えて定義することにより、それを見る観衆に色々なイデーが生まれる事に意味があるの?かなぁ。。。

DSC02862
対比する日本美術はこの一部屋。入口中央にメインビジュアルにも使われている千利休の竹一重切花入=銘 園城寺が鎮座しています。つまり竹筒です。

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狩野探幽と俵屋宗達の龍図。オリジナルとコピー=17世紀日本にすでに存在した現代美術に繋がるコンセプトという展示。ん~、全ての表現は模倣から始まるので、そこまで大上段に構えずとも・・・。しかし、やはり宗達はいいですねぇ。

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書という「芸術」のテーマで展示されている本阿弥光悦の「舟橋蒔絵硯箱」国宝です。トーハクが所蔵しているので、見る機会が多い逸品。

写楽
この他にも、日本のリアリズムということで、写楽の浮世絵

平治物語絵巻
異時同図法の国宝 平治物語絵巻 六波羅行幸巻 なども展示されています。

というわけで、400年前の日本に存在した現代美術のコンセプトとデュシャン作品のコラボレーション展示でした。
会期は12月9日までなので、興味ある人はぜひ!

Posted on November 06,2018

やんごとなき干菓子

さる筋より到来した『菊の御紋』入りの和三盆糖菓子。
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世が世なら、恩賜の干菓子ということになるのでしょうか。
宮内庁の売店でしか入手できないようで、叙勲の副賞や皇居の清掃勤労奉仕参加の際にいただけるようです。
DSC01331B

和三盆の味が上品で、大変おいしくいただきました。

Posted on November 06,2018

自販機

副都心線(東急東横線)渋谷駅構内で見かけた自販機。インバウンド対応なのでしょうか?
Jihanki
朱塗りに芸妓(舞子?)・・・京都仕様じゃないの?


伊藤あしゅら紅丸 Ashura Benimaru Itoh「Benny's Arcade」